メンズヘアセットを格上げする「ローライト」|立体感と深みを操る技術
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いつものヘアスタイルやヘアカラーに、どこかマンネリを感じている。あるいは、派手すぎることはしたくないけれど、さりげなく髪に変化をつけて、周りと差をつけたい。そんな、おしゃれにこだわる大人の男性にこそおすすめしたいのが、髪に深みと美しい立体感を与えるカラー技術、「ローライト」です。「ローライトって、よく聞くハイライトとどう違うの?」「ローライトを入れた後、ヘアセットはどうすればいい?」この記事では、そんな基本的な疑問に答え、ローライトの持つ魅力と、それを最大限に活かすためのヘアセットの秘訣を、プロの視点から詳しく解説していきます。
Contents
「ローライト」とは?メンズヘアにもたらす効果
まずは、ローライトがどのような技術で、あなたのヘアスタイルにどんな素晴らしい効果をもたらしてくれるのか、その基本から見ていきましょう。
ベースより暗い色を入れる技術
- ハイライトとの違い
髪全体の色(ベースカラー)よりも「明るい」色を筋状に入れて、光が当たっているかのような効果を生み出すのがハイライトです。それに対し、「ローライト」は、ベースカラーよりも「暗い」色を筋状に入れ、髪の中に自然な影を作り出す技術です。光と影の関係のように、ハイライトとローライトは、お互いの効果を引き立て合います。 - ブリーチ不要の場合が多い
ベースの髪色より暗い色を入れるため、多くの場合、髪の色素を抜くブリーチをする必要がありません。そのため、髪へのダメージを最小限に抑えながら、効果的にヘアカラーのデザインを楽しむことができるのが、大きなメリットの一つです。
ローライトがもたらす3つのメリット
- メリット1
圧倒的な立体感と奥行き
髪の中に、計算された影(暗い部分)を作ることで、ヘアスタイル全体に自然な奥行きが生まれます。これにより、特に、髪が単調でのっぺりとしがちな直毛の方や、軟毛の方のスタイルに、圧倒的な立体感をもたらすことができます。 - メリット2
引き締め効果(小顔効果)
ヘアスタイルが横に膨らんで、頭が大きく見えやすいのが悩み、という方は少なくありません。顔周りや、ボリュームが出やすいハチ周りといった、シルエットをコンパクトに見せたい部分にローライトを入れることで、視覚的な引き締め効果が生まれ、シャープな印象になり、小顔効果も期待できます。 - メリット3
上品で自然な仕上がり
髪全体の色を明るくするわけではないため、仕上がりは非常に自然で、派手になりすぎる心配がありません。職場や学校などで、あまり派手な髪色にできないという方でも、さりげなくおしゃれを楽しむことができる、まさに大人の男性に最適なカラー技術と言えるでしょう。
ローライトを最大限に活かすヘアセットのやり方
せっかく入れたローライトのデザイン。その効果を最大限に引き出すための、スタイリングのポイントをご紹介します。
「動き」と「毛流れ」を意識する
- ドライヤーでのベース作り
ローライトは、髪が動いた時に、その影の効果が最も美しく発揮されます。スタイリングの際には、ドライヤーで乾かす段階から、しっかりと毛流れのベースを作ることが重要です。トップは根元をふんわりと立ち上げ、サイドは後ろに向かって流すなど、髪に動きが出るように乾かしましょう。 - ヘアアイロンで動きをプラス
さらに、ヘアアイロンでゆるいカールやウェーブを付けると、光と影のコントラストがより一層強調され、ローライトのデザインが際立ち、スタイルに深みが生まれます。
おすすめのスタイリング剤
- ツヤの出るタイプが相性抜群
ローライトの色の深みを綺麗に見せるためには、スタイリング剤はマットな質感のものよりも、ツヤの出るタイプがおすすめです。ジェルやグリース、ヘアバーム、ヘアオイルなどを使い、ウェットな質感や、潤いのある自然なツヤ感をプラスすることで、ローライトの色がより鮮やかに見えます。 - スタイリング剤の付け方
スタイリング剤を全体に馴染ませた後、指先で毛束を一つひとつ、つまんで散らすようにしてシルエットを整えましょう。ローライトが入っている部分と、そうでない部分が、それぞれ動くように意識してセットすると、より立体的な仕上がりになります。
白髪ぼかしとしての「ローライト」
ローライトは、若い世代だけでなく、白髪が気になり始めた大人の男性にとっても、非常に有効な技術です。
白髪を「隠す」から「活かす」へ
- 白髪と馴染ませる
白髪が数本、気になり始めたという悩みに対し、暗い色のローライトを筋状に入れることで、白髪がまるでローライトのデザインの一部であるかのように、周囲の髪と自然に馴染みます。これにより、白髪そのものを目立たなくさせる効果があります。 - 伸びてきても気になりにくい
髪全体を暗く染める白髪染めとは異なり、根元の白髪が新たに伸びてきても、その境目がくっきりとせず、自然にぼかせるというメリットもあります。これにより、頻繁にサロンに通うのが難しいという方でも、ストレスなく白髪と付き合っていくことができます。
最高のローライトは、最高の「デザイン力」から生まれる
ローライトは、非常に繊細で、デザイン性の高い技術です。その効果を最大限に引き出すには、プロの技術が不可欠です。
髪と骨格を読む、緻密な計算
- どこに、どう入れるか
ローライトの効果を最大限に引き出すには、お客様一人ひとりの骨格、髪の生え癖、そしてベースとなるカットのデザインを正確に読み解き、「どこに」「どのくらいの太さで」「どんな色味の」ローライトを入れるべきかを、ミリ単位で設計する必要があります。これこそが、プロのカラーリストであり、デザイナーである私たち理容師の仕事です。
「カット」との連携が不可欠
- 動きを予測してカラーを入れる
私たちは、ただ筋状に色を入れるのではありません。カットによって生まれるであろう毛流れや、お客様がご自身でセットした時の髪の動きを予測し、その動きの中で最も効果的にローライトが見え、スタイルが立体的に見えるように、計算してカラーを配置していきます。カットとカラーは、常に一体でデザインされるべきものなのです。
あなただけに似合う「色」の提案
- 肌の色やファッションとの調和
お客様の肌の色や、普段のファッションのテイスト、そしてライフスタイルなどを考慮し、最もあなたの魅力を引き立てるローライトの色味を提案します。ただの技術ではなく、あなたという個性を最大限に輝かせるための、トータルなデザイン提案を心がけています。
まとめ
メンズヘアにおける「ローライト」は、派手すぎることなく、あなたのヘアスタイルに確かな立体感と深みを与え、ワンランク上のスタイルへと格上げしてくれる、非常に効果的な技術です。しかし、その繊細なデザインは、セルフでは決して真似することができず、お客様の骨格やカットを熟知したプロの理容師が施術してこそ、その真価を発揮します。いつものヘアスタイルに、深みという名のスパイスを。計算された影の効果で、あなたの魅力を最大限に引き出すお手伝いをさせてください。
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