【メンズヘアセット】「サイド流し」を極める。知的さと色気を両立する、大人のスタイリング術
いつものヘアセットに、ほんの少しの変化を加えたい。
そんな時、前髪やサイドの髪を、すっと横に流す「サイド流し」のスタイルを取り入れるだけで、あなたの印象は、驚くほど知的で、誠実で、そしてどこか色気のある、洗練された大人のものへと変わります。
七三分け(サイドパート)に代表されるこのスタイルは、一見、簡単そうに見えて、実は美しく、そして一日中崩れないように仕上げるには、いくつかの重要な「コツ」が存在するのです。
今回は、基本のやり方から、プロが実践するテクニックまで、「サイド流し」を完全にマスターするための全てを、詳しく解説します。
なぜ「サイド流し」は、これほどまでに好印象なのか?
髪をサイドに流すという、ごくシンプルな動作が、なぜこれほどまでに人の印象を左右するのでしょうか。
そこには、明確な理由があります。
- 知的な印象を与える
きっちりと分けられ、整然とサイドに流れた髪は、見る人に、知的で、落ち着いた、信頼感のある大人の印象を与えます。
ビジネスシーンにおいて、これほど効果的なヘアスタイルは他にないでしょう。 - 清潔感を最大限に演出する
顔周りの髪をサイドに流すことで、表情を司る「おでこ」や「眉」がはっきりと見えます。
これにより、顔全体が明るく、爽やかな印象になり、圧倒的な清潔感を演出することができるのです。 - 優れた骨格補正効果
髪の流れが、左右非対称(アシンメトリー)なシルエットを創り出すため、丸顔やベース顔といった、顔の輪郭に関するコンプレックスを、自然にぼかし、シャープに見せてくれるという、嬉しい効果もあります。 - 抜群の汎用性
ジェルやグリースで、きっちりとフォーマルに仕上げることもできれば、ワックスやバームで、柔らかくカジュアルに仕上げることも可能。
スタイリング剤の質感を変えるだけで、ビジネスからプライベートまで、あらゆるシーンに幅広く対応できる、非常に汎用性の高いスタイルです。
崩れない「サイド流し」を創る、完璧なセット手順
一日中、完璧な毛流れをキープするための、プロが実践するスタイリングプロセスです。
STEP1:ドライヤーで「毛根の向き」そのものを矯正する
これが、最も重要な工程です。
まず、髪全体を、根元からしっかりと濡らします。
そして、ドライヤーで乾かす際に、あなたが最終的に流したい方向とは、「真逆」の方向に向かって、髪の根元を立ち上げるように、一度乾かしてください。
根元が立ち上がったら、今度は、本来あなたが流したい方向に向かって、髪の根元から毛先へと、ドライヤーの風を当てていきます。
この「一度、根元を起こしてから、目的の方向に寝かせる」という工程が、ふんわりと、それでいて崩れない、理想的な毛流れを創り出す最大の秘訣です。
STEP2:スタイリング剤を「なりたい質感」で選ぶ
あなたの目指すスタイルに合わせて、最適なスタイリング剤を選びましょう。
- ナチュラルに、柔らかく流すなら
→ ソフトワックス、ヘアバーム、ヘアクリーム - 艶やかに、きっちりと流すなら
→ ジェル、グリース、ポマード - 束感を出しながら、アクティブに流すなら
→ ハードワックス
STEP3:付け方は「根元」から、そして「毛流れ」に沿って
手のひらで完璧に伸ばしたスタイリング剤を、まずは髪の内側、根元中心に馴染ませます。
その後、最後に、あなたがドライヤーで創り上げた「毛流れ」の方向に向かって、手ぐし、あるいは目の粗いコーム(クシ)で、梳かしつけるようにして、全体の形を創っていきます。
STEP4:ハードスプレーで、流れそのものを「記憶」させる
完成した美しい毛流れを、一日中キープするためには、仕上げのハードスプレーが欠かせません。
特に、崩れやすい前髪の根元や、分け目の部分に、髪から20cmほど離して、シュッと一吹きすることで、スタイルが強力に記憶されます。
なぜ、プロがカットした髪は、驚くほど素直に流れるのか
「この手順通りにやっても、自分の髪は、なかなか言うことを聞いてくれない…」
もし、あなたがそう感じるのであれば、その原因は、あなたの技術ではなく、全ての土台となる「カット」そのものにあるのかもしれません。
- 髪が、そもそも「流れたがっている」ようにカットしている
私たちプロの理容師は、お客様が「サイドに流したい」というご要望をお持ちの場合、ただ髪を切るのではありません。
あなたの髪質や生えグセを見極め、毛先が、自然とそちらの方向に向かって落ちていくように、レザー(カミソリ)や、特殊なセニングシザー(すきバサミ)を使い、髪の落ちる位置や方向性を、ミリ単位で、緻密にコントロールしているのです。 - 「重さ」と「軽さ」の、完璧な黄金バランス
髪は、重すぎると流れず、軽すぎると浮いてしまい、まとまりません。
プロは、スタイルをキープするために必要な、適度な「重さ」はきちんと残しつつ、動きを出すための「軽さ」を、見えない髪の内側で創り出しています。
この絶妙な毛量調整こそが、プロのなせる技なのです。 - 「パーマ」で、流れそのものを創り出してしまう
どうしても言うことを聞かない、強情な直毛。
そんな髪質には、アイロンパーマやピンパーマといった、理容室が得意とする技術を使い、髪に「理想の毛流れのクセ」そのものを、記憶させてしまう、という究極の解決策を提案することができます。
これにより、あなたの毎朝のスタイリングは、驚くほど簡単になります。
まとめ
髪をサイドに流すという、シンプルでありながら、非常に奥深いヘアセット。
今回ご紹介した、正しい手順と、いくつかの簡単なコツを掴めば、誰でも、その日から実践することが可能です。
しかし、そのスタイリングを、驚くほど簡単に、そして、まるであなたが何もしなくても、生まれつきそうであったかのように自然に実現させるのは、あなたの髪質と骨格を知り尽くした、プロの理容師による「完璧な設計(カット)」に他なりません。
もう、言うことを聞かない、頑固な髪の毛と、毎朝格闘するのはやめにしませんか。
あなたが何もしなくても、自然と髪が美しく流れていく。
そんな感動のベースカットを、私たちプロフェッショナルが約束します。