おしゃれな髪型はセットが重要。明日から実践できる基本のスタイリング術
理容室で整えてもらった直後の、あの完璧に決まったヘアスタイル。鏡を見るたびに気分が高揚し、「この状態が毎日続けば良いのに」と感じた経験は、多くの男性がお持ちではないでしょうか。しかし、いざ翌朝ご自身で再現しようとすると、なぜか思うようにいかない。おしゃれな髪型への憧れはありつつも、ヘアセットそのものに苦手意識を感じている方も少なくないはずです。
この記事では、そのようなお悩みを抱える皆様へ向けて、ご自宅でのおしゃれな髪型のセットを成功させるための、基本的かつ重要な考え方と手順を、分かりやすく解説いたします。
なぜ、自分でセットすると思うように決まらないのでしょうか
サロンではあんなに格好良く仕上がったのに、自分でセットすると思うように決まらない。その原因をご自身の不器用さや、扱いにくい髪質のせいだとお考えではないでしょうか。しかし、実際にはいくつかの基本的なポイントや手順を知らないだけで、多くの場合、誰でもスタイリングは上達するものです。
プロの理容師は、特別な魔法を使っているわけではありません。髪の性質を理解し、正しい手順に沿って、道具を的確に使っているのです。その原理原則を理解することで、ご自宅でのヘアセットの質は格段に向上します。
スタイリングの成否は「ドライヤー」で決まります
多くの方がヘアセットと聞いてまず思い浮かべるのは、ワックスなどのスタイリング剤かもしれません。しかし、実はおしゃれな髪型のセットにおいて最も重要な工程は、その前の「ドライヤーによるベース作り」です。髪が濡れた状態から乾く瞬間に、髪の毛は形が記憶されます。この性質を最大限に利用することが、成功への近道です。
朝、スタイリングを始める前には、まず髪の全体を根元からしっかりと濡らし、寝癖をリセットすることが大切です。そしてドライヤーをかける際には、ただ乾かすのではなく、「髪の根元を立ち上げる」「毛流れを作りたい方向へ風を当てる」といった意識を持つことが重要になります。このベース作りを丁寧に行うだけで、スタイリング剤は最小限で済み、一日中崩れにくいヘアスタイルが実現します。
スタイリング剤の選び方と基本的な使い方
ベースとなる髪型がドライヤーで整ったら、いよいよスタイリング剤の出番です。ワックス、ジェル、グリースなど、様々な種類がありますが、まずはご自身の目指す仕上がりや髪質に合ったものを選ぶことが大切です。
使い方の基本は、まず少量(例えば小豆一粒大)を手に取り、両方の手のひら、指の間まで透明になるくらい、まんべんなく薄く伸ばすことです。そして、髪の根元には付けず、中間から毛先にかけて、髪の内側から空気を入れるように優しく馴染ませていきます。決して一箇所に固めて付けず、髪全体に均一に行き渡らせることを意識してください。最後に指先で毛束を整え、全体のシルエットを調整すれば完成です。
実は最も重要な「セットがしやすいカット」
これまでにご紹介した手順を実践しても、なかなかしっくりこない場合、その原因はスタイリング技術ではなく、土台となる「カット」そのものにある可能性がございます。ご自身の骨格や髪の生え方、髪質に合っていないカットは、どれだけセットを頑張ってもまとまりにくく、時間が経つとすぐに崩れてしまいます。
一方で、経験豊富な理容師による正確なカットが施された髪は、それだけで自然な毛流れが生まれ、髪の収まりが良くなります。つまり、「セットがしやすい髪型」に切られているため、最小限のスタイリングで、簡単におしゃれな髪型が再現できるのです。お客様がご自宅でスタイリングすることまで計算してカットをすることこそ、プロフェッショナルの真価と言えるでしょう。
理想のスタイルを叶えるために
おしゃれな髪型は、正しい知識と日々の少しの練習、そして何よりも、ご自身に合った優れたカット技術から生まれます。もし、毎日のヘアセットにお悩みでしたら、ぜひ一度、信頼できる理容師にご相談ください。
あなたの髪質や骨格を見極め、ライフスタイルに合った髪型を提案してくれるだけでなく、ご自宅で簡単にできるセットの方法まで、一から丁寧に教えてくれるはずです。プロの力を借りて、毎日がもっと楽しくなる、あなただけの理想のスタイルを手に入れてみてはいかがでしょうか。