メンズのウルフヘアセットを完全攻略。無造作なのに計算されたスタイルの作り方
かつて一世を風靡した「ウルフカット」が、現代的な解釈を加えられ、再びメンズヘアのトレンドスタイルとして大きな注目を集めています。
トップの丸みと、長く残した襟足部分の「くびれ」。
この独特のシルエットが特徴のウルフスタイルは、ヘアセット次第でワイルドにも、中性的にも、様々な表情を見せる、非常にクリエイティブな髪型です。
今回は、今どきのウルフヘアをおしゃれに、そして格好良くセットするための全手順と、そのスタイルを成功させるための秘訣を、プロの視点から詳しく解説します。
現代版「メンズウルフ」の魅力とは?
なぜ今、再びウルフカットが多くの男性に選ばれているのでしょうか。
そこには、現代のファッションや気分にマッチした、多くの魅力が隠されています。
- ミステリアスな色気
長く残した襟足が、首筋に沿って動き、ミステリアスで色気のある雰囲気を醸し出します。
正面から見た時のすっきりとした印象と、後ろ姿のワイルドさとのギャップも、このスタイルの大きな魅力です。 - 優れた小顔効果と骨格補正
ウルフカットは、トップに丸みとボリュームを出し、襟足をタイトに引き締めることで、ヘアスタイル全体のシルエットを、理想的とされる「ひし形」に近づけやすいのが特徴です。
これにより、顔がすっきりと見え、高い小顔効果が期待できます。
また、ハチ張りをカバーするのにも非常に有効です。 - スタイリングの幅広さ
その日の気分やファッションに合わせて、様々な表情を楽しめるのもウルフの醍醐味です。
襟足を大胆に外ハネにすればアクティブな印象に、内巻きに収めればナチュラルな印象に。
トップを無造作に動かしたり、タイトにまとめたりと、スタイリングの幅は無限大です。 - 刈り上げとの最高の相性
現代のメンズウルフの多くは、サイドをツーブロックなどで刈り上げるスタイルが主流です。
ウルフの持つどこか野性的でルーズな印象に、刈り上げによるシャープさと清潔感をプラスすることで、完璧なバランスのスタイルが完成します。
ウルフヘアセットの鍵。「くびれ」と「外ハネ」の作り方
ウルフスタイルをおしゃれに見せる最大のポイントは、トップの丸みと襟足のタイトさで生まれる「くびれ」と、襟足の毛先の「動き」にあります。
この二つを、ステップバイステップで攻略していきましょう。
STEP1:ドライヤーで創る、シルエットの土台
全てのヘアセットは、ドライヤーから始まります。
まず、髪全体を根元からしっかりと濡らし、タオルドライします。
次に、ドライヤーで乾かす際に、トップ部分は根元を持ち上げるように、ボリュームを出すことを意識します。
膨らみやすいサイドの髪は、上から下に風を当て、手のひらで押さえながら乾かし、タイトに収めます。
そして最も重要な襟足は、首に沿わせるように、上から風を当てて乾かすことで、「くびれ」の美しいベースを創り出します。
STEP2:ヘアアイロンで、繊細な動きをプラス
ドライヤーで創った土台に、ヘアアイロンでさらに繊細な動きと質感を加えていきます。
トップの髪は、軽く内巻きにする「Cカール」で、丸みを強調します。
サイドの髪は、流したい方向に自然な毛流れをつけます。
そして、このスタイルの象徴とも言える襟足は、毛先だけを、外側にハネさせるようにアイロンを通します。
このひと手間が、一気に今どきのウルフらしい、こなれた雰囲気を生み出します。
STEP3:スタイリング剤の選び方と付け方
なりたい質感に合わせて、スタイリング剤を選びましょう。
柔らかく、ナチュラルな動きを出したいなら「ソフトワックス」や「ヘアバーム」。
パーマのような、リッジの効いた動きを出したいなら「ハードワックス」や「グリース」がおすすめです。
適量を手のひらにしっかりと伸ばしたら、根元を避け、髪の中間から毛先を中心に、優しく揉み込むように馴染ませていきます。
STEP4:指先で整え、シルエットを完成
スタイリング剤が全体に馴染んだら、最後の仕上げです。
指先を使い、トップの毛束を細かくつまんで束感を出し、サイドの毛流れを整えます。
そして、襟足の毛先が、きれいに外側にハネるように、形を整えて、全体のシルエットを完成させます。
なぜ、プロが創るウルフは「格が違う」のか
セルフセットも楽しいものですが、プロの仕事には、それを支える決定的な違いがあります。
- 全てを計算した「レイヤーカット」
ウルフスタイルの心臓部は、トップの丸みと襟足のくびれを創り出す、緻密な「レイヤー(段)」の入れ方にあります。
プロの理容師は、お客様の髪質や骨格を見極め、髪が自然に内側に入ったり、外側にハネたりするように、そして、あなたが自宅で簡単にセットできるように、全てを計算してレイヤーを入れているのです。 - 「刈り上げ」による究極のメリハリ
現代のメンズウルフを、単なる長髪のスタイルで終わらせないのが、「刈り上げ」の技術です。
サイドをツーブロックやフェードカットで精密に仕上げることで、ウルフの持つ甘さや野性味に、シャープなエッジと、社会人として不可欠な清潔感を加えることができます。
この絶妙なバランス感覚こそ、理容室の真骨頂です。 - セットを劇的に楽にする「パーマ」という提案
「毎朝、アイロンを使うのは大変…」
そんな方のために、プロは、必要な部分にだけ、計算された動きをつける「ニュアンスパーマ」や、より個性的な「スパイラルパーマ」などを組み合わせる提案ができます。
これにより、あなたのスタイリングは、驚くほど簡単になります。
まとめ
メンズウルフは、ただのトレンドヘアではなく、計算され尽くしたカットと、繊細なヘアセットが融合して初めて完成する、非常に芸術性の高いスタイルです。
そのポテンシャルを最大限に引き出し、野暮ったさとは無縁の、洗練されたウルフスタイルを手に入れるには、男性の髪質と骨格を知り尽くした、プロの技術が不可欠です。
あなたの個性を、最もクールな形で表現しませんか。
ヘアカットから、毎日のヘアセットの方法まで、私たちプロフェッショナルが、責任を持ってサポートします。