刈り上げブリーチをセルフで?挑戦する前に知るべきリスクとプロとの違い
個性的な刈り上げと、目を引くブリーチのハイトーンカラー。
この二つを組み合わせたスタイルは、自分のファッションや存在感を際立たせる最高の方法の一つです。
最近では、市販のブリーチ剤も手に入りやすくなり、「もしかしたら、セルフで挑戦できるのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし、この二つの高度な技術を自分自身で行うことには、想像以上の難しさと、取り返しのつかないリスクが潜んでいます。
今回は、セルフでの刈り上げブリーチの手順概要と、後悔しないために知っておくべきプロとの決定的な違いを、専門家の視点から正直にお伝えします。
セルフで挑戦する前に。刈り上げ×ブリーチの手順概要
まず、セルフで行う場合の基本的な流れを把握しておきましょう。
各工程に、プロの技術との差と、失敗のリスクが隠されています。
1. 準備:必要な道具を揃える
セルフ施術には、様々な道具が必要です。
- バリカンとアタッチメント
- ブリーチ剤、2剤(オキシ)
- 薬剤を混ぜるカップ、ハケ
- ケープ、汚れても良いタオル
- 手袋、イヤーキャップ
- 髪を分けるクリップ
- 頭皮保護用のワセリンなど
【プロの視点】
プロはこれらの道具に加え、お客様の髪質やダメージレベル、希望の明るさに合わせて、数種類の薬剤を的確な比率で調合します。
2. 刈り上げ(カット)
ブリーチの前に、まずベースとなる刈り上げを完成させます。
刈り上げる範囲と残す髪を正確に分ける「ブロッキング」を行いますが、自分では見えない後頭部などを左右対称に分けるのは至難の業です。
バリカンの扱いを少しでも誤れば、虎刈りになったり、意図しない部分まで刈り込んでしまったりする危険性があります。
3. ブリーチ剤の塗布
ここが最も難しく、危険を伴う工程です。
薬剤がついてほしくない刈り上げ部分や、頭皮、生え際をワセリンなどで保護します。
薬剤は、根本を1cmほどあけて毛先から塗布するのが基本ですが、塗布量やスピードにムラがあると、それがそのまま色のムラに直結します。
4. 時間を置いて洗い流す
ブリーチ剤は、放置時間によって明るさが決まります。
しかし、自己判断で時間を置きすぎると、髪に深刻なダメージを与えたり、頭皮に強い刺激を感じたりする原因になります。
少しでも異常を感じたら、すぐに洗い流す判断が必要です。
なぜプロは「セルフブリーチ」を推奨しないのか?3つの大きなリスク
手順だけ見れば簡単に思えるかもしれませんが、そこには大きな落とし穴があります。
私たちがセルフ施術を推奨しないのには、明確な理由があります。
リスク1:深刻な頭皮・髪へのダメージ
ブリーチ剤は、髪の色素を分解する非常に強力な薬剤です。
塗布量の調整ミスや、放置時間の超過は、頭皮の炎症や化学やけど、最悪の場合、髪がゴムのように伸びてちぎれてしまう「断毛」といった、取り返しのつかないダメージに繋がる可能性があります。
プロは、頭皮を保護しながら、髪の状態を見極め、ダメージを最小限に抑える知識と技術を持っています。
リスク2:絶望的な失敗(ムラ・意図しない色)
セルフブリーチで最も多い失敗が、均一に染まらない「色ムラ」です。
後頭部などがまだら模様になったり、根元だけが異常に明るくなったりします。
また、髪質によっては、ただの金髪ではなく、オレンジや赤みがかった品のない色味になってしまうことも少なくありません。
プロは、髪質や元の髪色を計算し、薬剤をコントロールすることで、均一で美しいハイトーンを実現します。
リスク3:刈り上げ部分との悲惨な境目
セルフで特に難しいのが、ブリーチする部分と刈り上げた部分の境界線の処理です。
薬剤が刈り上げ部分に垂れてまだらになってしまったり、そのラインがガタガタになってしまったりと、スタイル全体を台無しにする原因となります。
プロは、精密な塗布技術で、シャープで美しいコントラストを創り出します。
結局、サロンでやるのが賢い選択である理由
「費用を抑えたい」という気持ちでセルフに挑戦した結果、かえって高くついてしまうケースは後を絶ちません。
- 失敗後の修正は高くつく
セルフブリーチの失敗をサロンで直す「お直し」は、通常のカラー施術よりも遥かに複雑で、時間も費用もかかります。
「安物買いの銭失い」になる可能性が非常に高いのです。 - ダメージケアとトータル提案
サロンでは、ブリーチによるダメージを最小限に抑えるための処理剤を組み合わせたり、施術後に集中トリートメントを行ったりすることができます。
また、髪色に合わせた眉カラーなど、トータルでスタイルを提案できるのもプロならではです。 - ベースとなるカットの重要性
そもそも、ベースとなる刈り上げのクオリティが低ければ、どんなに綺麗なカラーも決して映えません。
あなたの骨格に合わせた完璧なカットこそが、サロンでしか得られない最大の価値なのです。
まとめ
刈り上げとブリーチのセルフ施術は、手軽に見えて、実はあなたの髪と頭皮を深刻なリスクに晒す、非常に専門性の高い技術の組み合わせです。
大切な髪を守り、誰が見ても美しいハイトーンスタイルを確実に手に入れるためには、プロの知識と技術に頼ることが、最も賢明で、結果的にコストパフォーマンスも高い選択と言えるでしょう。
セルフで挑戦して後悔する前に、ぜひ一度、私たちプロフェッショナルにご相談ください。
安全性とクオリティ、その両方を約束します。