刈り上げスタイルはブラシで変わる。スタイリングとプロの技を徹底解説
すっきりと清潔感のある刈り上げスタイル。
その完成度を高めるために、ワックスやジェルなどのスタイリング剤にこだわる方は多いでしょう。
しかし、その影で仕上がりを大きく左右している、重要な道具の存在を見過ごしてはいませんか。
それが「ブラシ」です。
今回は、自宅でのスタイリングを格上げするブラシの使い方から、理容室でプロが使う専門的なブラシまで、刈り上げスタイルとブラシの奥深い関係について詳しく解説します。
【スタイリング編】自宅で使うべきブラシとそのやり方
ドライヤーで髪を乾かす際にブラシを使うだけで、ヘアスタイルのまとまりやボリューム感は劇的に変わります。
目的に合わせて、適切なブラシを選んでみましょう。
デンマンブラシ
半円状の形状が特徴で、片面にナイロン毛などが並んだブラシです。
髪の根元をしっかりと捉えることができるため、トップにボリュームを出したい時や、全体の毛流れを整えたい時に最適です。
ドライヤーの熱を根元に当てながら、髪を下から持ち上げるようにして使うと、ふんわりとした立ち上がりが生まれます。
ロールブラシ
円柱状の形をしたブラシで、美容室などでもよく使われます。
髪に自然なカールや丸みをつけるのが得意で、前髪を流したり、サイドの髪が外にハネるのを内巻きに収めたりするのに効果的です。
パーマをかけたような、柔らかな動きを表現したい時にも役立ちます。
スケルトンブラシ
ブラシの目が粗く、骨組みのような形状をしているのが特徴です。
ドライヤーの風が通りやすいため、髪を素早く乾かすことができます。
ざっくりと髪をとかしながら、ラフな束感を作ったり、パーマのウェーブを崩さずに整えたりするのに向いています。
【プロの道具編】理容室で使われる専門ブラシの世界
理容室の施術風景を見ると、私たちが普段目にしないような、特殊なブラシが使われていることに気づきます。
これらは、プロの仕事を支える、こだわりの専門道具です。
フェードブラシ(スキンフェードブラシ)
馬毛や豚毛などの非常に柔らかい毛で作られた、平たい形状のブラシです。
これは、フェードカットの施術中に、刈り取った細かい毛を払うために使われます。
肌を傷つけることなく、刈った部分をきれいにすることで、理容師は刈りムラや色の濃淡を正確に確認しながら、ミリ単位の精密な作業を進めることができるのです。
このブラシの存在自体が、プロの仕事の丁寧さと精密さを物語っています。
刈り込みブラシ
理容師がカット中に使う、少し硬めの毛で作られたブラシです。
カットした髪を素早く払い落とすのはもちろん、静電気を抑えたり、お客様の髪の生えグセを確認したりする役割も担っています。
長年使い込まれたブラシは、その理容師の手の一部とも言える存在です。
ブラシ一本で仕上がりが変わる。プロのブロー技術
プロの理容師とセルフスタイリングの決定的な違いは、このブラシを使った「ブロー(ドライ)」の技術にあります。
- スタイルは「根元」から作る
プロのブローは、単に髪を乾かす作業ではありません。
ブラシを使って髪の根元に適切なテンションをかけ、ドライヤーの熱で「生えグセ」そのものを矯正しています。
これにより、スタイリング剤をつけなくても、ある程度スタイルが決まる「ベース」を創り上げているのです。 - 「温めて、冷ます」で形を記憶させる
髪は、熱が加わると形が変わりやすくなり、冷める時にその形が固定されるという性質を持っています。
プロは、ブラシで髪の形を整えながらドライヤーの熱を当て、形が決まったらブラシを外さずに冷風を当てるか、少し時間をおいて熱を冷まします。
この一手間が、スタイルの持ちを格段に良くする秘訣です。 - 骨格に合わせたボリュームコントロール
お客様一人ひとりの頭の形を理解し、ボリュームを出したい部分は根元から持ち上げ、抑えたい部分は上から熱を当ててタイトにする。
このブラシを使った巧みなボリュームコントロールが、どこから見ても美しいシルエットを生み出します。
まとめ
ブラシは、刈り上げスタイルをより美しく、そして扱いやすくするための、あなたの強力なパートナーです。
自宅でのスタイリングに適切なブラシを取り入れることで、日々の満足度は格段に向上するでしょう。
しかし、プロの理容師は、さらに専門的なブラシと、それを完璧に使いこなす高度なブロー技術で、あなたのスタイルの「土台」そのものを創り上げています。
スタイリングが驚くほど楽になる、プロの仕事をぜひ一度体験してみてください。
あなたの髪質と骨格に最適なブラシワークで、最高のスタイルを提案します。