刈り上げのバリカン、やり方は?セルフカットの基本とプロの技の違い
「バリカンさえあれば、自宅でも簡単に刈り上げができるのでは?」そう考え、バリカンの「やり方」を調べている方は多いのではないでしょうか。
確かに、基本的な手順を知ることは大切です。
しかし、プロの理容師が作り出す美しいスタイルと、セルフカットの仕上がりとの間には、道具だけでは決して埋めることのできない、大きな壁が存在します。
今回は、刈り上げの基本的なやり方の流れをご紹介しつつ、プロの技術がいかに奥深いものであるか、その決定的な違いを解説します。
セルフで挑戦する前の基礎知識。バレカンのやり方概要
まずは、セルフカットで行われる基本的なバリカンのやり方の流れを見ていきましょう。
この各工程に、プロの技と失敗しやすいポイントが隠されています。
準備するもの
セルフカットを始める前に、最低限必要な道具を揃えます。
- バリカン
- 長さの違うアタッチメント
- ヘアクリップ(ダッカール)
- ケープ
- クシ
- 合わせ鏡
1. ブロッキング(髪の仕分け)
刈り上げる部分と残す部分を、ヘアクリップなどを使って正確に分けます。
この最初のブロッキングが、ヘアスタイル全体の設計図となります。
ここのラインが歪んでしまうと、仕上がりも歪んでしまうため、非常に重要な工程です。
2. アタッチメントを選んで刈り進める
失敗を防ぐため、まずは長めのアタッチメント(9mmや12mmなど)から試すのが基本です。
バリカンの刃を頭皮に軽く当て、下から上へ、ゆっくりと動かして刈り進めます。
【プロの視点】
プロはここで、ただ真っ直ぐ上に動かすだけではありません。
頭の丸みに合わせて手首を返し、バリカンを自然に「抜く」動作を加えます。
これにより、アタッチメントだけでは作れない、滑らかなグラデーションの土台を築いていきます。
3. 境目をぼかす
刈り上げた部分と、トップの長い髪との境目を、より短いアタッチメントやクシを使って馴染ませていきます。
この工程が、セルフカットで最も失敗しやすいポイントです。
少しでも手元が狂うと、段差ができてしまったり、部分的に凹んだ「虎刈り」になったりする原因となります。
その「やり方」では超えられない。プロの技術の壁
基本的なやり方はシンプルに見えますが、プロの仕事は、その一歩も二歩も先を行く視点と技術に支えられています。
視点の違い:平面的な作業 vs 立体的なデザイン
セルフカットは、どうしても鏡に映る「平面」をなぞる作業になりがちです。
一方、プロは頭全体を一つの「立体的な球体」として捉えています。
360度どこから見ても美しいシルエットになるように、骨格の凹凸を計算しながらバリカンを動かしているのです。
後頭部の絶壁をカバーして丸みを持たせたり、サイドのハチ張りを抑えてシャープに見せたりする技術は、この立体的な視点があってこそ可能になります。
技術の違い:均一に刈る vs 骨格を補正する
セルフカットのゴールが「均一な長さに刈ること」だとすれば、プロのゴールは「お客様の骨格を補正し、最も似合う形をデザインすること」です。
お客様一人ひとりの頭の形、髪の生えグセを見極め、それをカバーしながら理想のスタイルを構築する。
これは、マニュアル化できない、まさに職人の領域です。
道具の違い:バリカン一本 vs 複数の専門道具
プロの刈り上げは、バリカンだけで完結しません。
バリカンでベースを作った後、ハサミを使って柔らかな質感を加え、トリマーで襟足や耳周りのラインをシャープに整え、仕上げにカミソリでうぶ毛を処理する。
複数の専門道具を駆使した緻密な連携プレーが、完成度の高さを生み出します。
まとめ
刈り上げバレカンの基本的な「やり方」を知ることは、自分のスタイルをより深く理解する上で、決して無駄ではありません。
しかし、本当に満足のいく仕上がり、自分の魅力を最大限に引き出してくれるスタイルを求めるなら、その「やり方」を熟知し、さらにその先を行く理論と技術を持つプロフェッショナルに任せるのが最善の道です。
セルフカットでの失敗は、修正が難しく、時間も費用も余計にかかってしまう可能性があります。
あなたの「こうなりたい」という想いを、最高の技術と「やり方」で形にします。
ぜひ一度、本物のプロの仕事を体験しにご相談ください。