刈り上げ×濡れた髪で創る、大人の色気。ウェットヘア・スタイリング術
パサついて広がった髪よりも、潤いに満ちた、艶やかな髪。
現代のメンズヘアスタイルは、カットで創る「形」だけでなく、スタイリングで創る「質感」もまた、その人の印象を決定づける、極めて重要なデザイン要素です。
そして、「濡れた髪(ウェットヘア)」のスタイリングは、男の色気と、清潔感という、一見すると相反する二つの魅力を、最もシンプルに、そして最も効果的に両立させる、究極の“質感”のデザインなのです。
この記事では、あなたの刈り上げスタイルを、ワンランク上のステージへと導くための、プロのスタイリング術を解き明かします。
なぜ今、男の髪には「濡れたようなツヤ」が求められるのか
ウェットヘアが、多くのトレンドスタイルで取り入れられ、お洒落な男性たちの定番となっているのには、明確な理由があります。
それは、髪に「濡れたようなツヤ」を与えるだけで、多くのメリットが手に入るからです。
- ウェットヘアがもたらす3つの効果
- ① 清潔感と、誠実な印象を演出する
潤いのある髪は、手入れが行き届いていることの証。特に、きっちりとした刈り上げスタイルと組み合わせることで、圧倒的な清潔感と、誠実な印象を相手に与えることができます。 - ② 髪のパサつきを抑え、ダメージを美しく見せる
乾燥や、カラー・パーマによるダメージで、パサつきがちな髪も、ウェットなスタイリング剤でコーティングすることで、潤いのある、健康的な髪に見せることができます。 - ③ 大人の“色気”と“余裕”を感じさせる
濡れたようなツヤは、ほんのりと色気を醸し出し、作り込みすぎていない、大人の余裕を感じさせます。いつものスタイルに、少しだけミステリアスな魅力をプラスしてくれるのです。
- ① 清潔感と、誠実な印象を演出する
ジェル?グリース?あなたに合う“濡れ髪”スタイリング剤の選び方
ウェットな質感を創り出すためのスタイリング剤は、数多く存在します。
あなたの目指すスタイルや、髪質に合わせて、最適なものを選びましょう。
- ウェットヘアを創る代表的なスタイリング剤
- 【ジェル】
カチッと固める、最強のホールド力
濡れたようなツヤと、強力なセット力を両立。七三分けやオールバックなど、ビシッと決めたいフォーマルなスタイルに最適です。 - 【グリース】
ツヤと「再整髪性」を両立
ジェルに似た強いツヤを出しながらも、固まらずに、一日中、手ぐしでスタイルを修正できる(再整髪性)のが特徴です。パーマスタイルなど、動きのある髪型に向いています。 - 【ポマード】
クラシックなスタイルに、油性の輝きを
グリースよりも、さらに油分が多く、重厚感のあるクラシックなツヤを出します。伝統的なバーバースタイルを再現するなら、これ一択です。 - 【ヘアオイル】
最も自然な、さりげない“濡れ感”
セット力はほとんどありませんが、髪に自然な潤いとツヤを与え、最もさりげないウェットヘアを創ることができます。ナチュラルなセンターパートなどに。
- 【ジェル】
ベタつかない、やりすぎない。プロが教えるウェットヘアの作り方
ウェットヘアで最も避けたい失敗が、「ベタベタ」「テカテカ」の、不潔な印象になってしまうこと。
プロが実践する、自然な濡れ感を出すための、3つの鉄則をご紹介します。
- 失敗しないための、3つの鉄則
- ① ベースは「半乾き」の髪から始める
髪を完全に乾かしきってしまうと、スタイリング剤が馴染みにくくなります。お風呂上がりや、一度髪を濡らした後、タオルドライした「半乾き」の状態で始めるのが、最も自然に仕上がります。 - ② スタイリング剤は、必ず「少量」から試す
いきなり多くの量を付けるのは、失敗の元です。まずは少量(小豆一粒くらい)を手のひらに伸ばし、足りなければ、少しずつ足していく。この慎重さが、やりすぎ感を防ぎます。 - ③ “根元は避け、中間から毛先”に馴染ませる
スタイリング剤を、ベタっと頭皮の根元から付けてしまうと、髪が潰れ、不潔な印象になります。まずは、髪の中間から毛先を中心に馴染ませ、最後に、手のひらに残ったごく僅かな量で、根元や前髪を整えるのが正解です。
- ① ベースは「半乾き」の髪から始める
なぜプロのカットは、“濡れた時”に最も美しく輝くのか
なぜ、プロの理容師が手がけたスタイルは、ウェットなスタイリングをした時に、あれほどまでに、美しく、そして立体的に輝くのでしょうか。
その答えは、プロが、あなたがウェットヘアでスタイリングすることまでを、全て計算して、カットを施しているからです。
プロは、カウンセリングを通じて、あなたのスタイリングの好みまでを完全に把握します。
そして、「このお客様は、ジェルでタイトに抑えるのが好きだから、収まりやすいように、ここの毛量を減らしておこう」「グリースで束感を出すのが好きだから、毛先が動きやすいように、ここに軽さを入れておこう」といったように、スタイリング後の完成形から逆算して、カットを設計しているのです。
それは、あなたの魅力を、そしてあなたが選んだスタイリング剤のポテンシャルを、最大限に引き出すための、究極の“連携プレー”なのです。
計算された“濡れ感”で、男の魅力を最大限に
「濡れた髪」のスタイリングとは、単に髪をウェットにすることではありません。
それは、あなたの魅力を最大限に引き出すための、知的で、そして効果的な「質感のデザイン」です。
最高のカットという、完璧な「形」と、最高のスタイリングによる、最高の「質感」。
その二つが融合して初めて、あなたのヘアスタイルは、本当の意味で完成するのです。
ぜひ一度、プロが創り出す、究極の“質感”を、あなたの髪で体験してみてはいかがでしょうか。