もみあげにこだわる男は理容室?美容院?専門店が教える違いと選び方
ヘアスタイルを整える際、多くの男性が「理容室(床屋)」と「美容院」のどちらに行くべきか、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。どちらも髪を切る場所ですが、実は提供できるサービスや得意なスタイルには明確な違いがあります。
特に、顔の印象を大きく左右する「もみあげ」のデザインや処理においては、その違いが仕上がりに大きく影響します。
もしあなたが、もみあげの仕上がりにこだわりたい、あるいは今の仕上がりに満足していないのなら、その違いを知ることが理想のスタイルへの第一歩です。この記事では、メンズカットの専門店の視点から、両者の違いとあなたに合った選び方を詳しく解説します。
決定的な違いは「カミソリ」の使用可否
理容室と美容院の最も本質的で、法律によって定められている違いは、「顔剃り」、つまりカミソリの使用が許可されているかどうかです。
理容師は「理容師法」に基づき、お客様の顔にカミソリを使ったシェービングを行うことが認められています。一方で、美容師は「美容師法」により、メイクアップに伴う顔剃りなど一部の例外を除き、原則としてカミソリを使った顔剃りを行うことができません。
この法律上の違いが、もみあげの処理方法に直接的な差を生み出します。理容室では、もみあげの輪郭をカミソリでシャープに整えたり、周辺の産毛をきれいに剃ったりすることが可能です。一方、美容院ではハサミやバリカンを使って形を整えるのが基本となります。
もみあげの仕上がりに見る理容室と美容院の特徴
「カミソリが使えるかどうか」は、実際の仕上がりにどのような特徴として現れるのでしょうか。
- 理容室の仕上がり
カミソリで産毛まで綺麗に処理するため、もみあげの輪郭がくっきりと際立ち、非常にシャープで清潔感のある印象になります。地肌から始まる滑らかなグラデーションを作るフェードスタイルや、クラシカルな刈り上げなど、メリハリの効いたメンズスタイルを得意とします。 - 美容院の仕上がり
ハサミやバリカンで整えるため、毛先が柔らかく、よりナチュラルな仕上がりになります。きっちりとラインを出すというよりは、全体のヘアスタイルに自然に馴染ませるような、優しい雰囲気に仕上がりやすいのが特徴です。
こんな男は「理容室」がおすすめ!もみあげ編
あなたが以下のような希望を持っているなら、理容室を選ぶことで高い満足度が得られる可能性が高いでしょう。
- もみあげの輪郭をきっちり整え、清潔感を最優先したい
ビジネスシーンなどで好印象を与えたい方にとって、産毛のないクリーンな顔周りは大きな武器になります。 - フェードスタイルやクラシカルな刈り上げにしたい
精密な刈り上げ技術とシェービングを組み合わせることで、本格的なバーバースタイルが完成します。 - もみあげ周りの産毛や肌のくすみが気になる
顔剃りには、古い角質を除去するピーリングのような効果も期待でき、肌のトーンが明るく見えることもあります。 - ヒゲのデザインと合わせて、もみあげを整えたい
もみあげからヒゲへと続くラインを、カミソリを使って美しく繋げられるのは理容室ならではの技術です。
一方、美容院でのオーダーはどうすれば良い?
もちろん、美容院のナチュラルな仕上がりが好みの方も多いでしょう。美容院でもみあげをオーダーする際は、カミソリが使えないことを前提に、「ハサミで自然な毛流れになるように」「バリカンで長さを短く整えてください」など、実現可能な範囲で希望を伝えることが大切です。理想のスタイルの写真を見せるのも有効ですが、仕上がりはあくまで「カミソリを使わないナチュラルな範囲」になることを理解しておくと、イメージとのギャップが少なくなります。
なぜ「こだわる男」は最終的に理容室に行き着くのか
理容室は、いつの時代も「男性をいかに格好良く見せるか」という一点を追求してきた、メンズヘアの専門家です。
特に、もみあげや襟足のラインといった「アウトライン」の処理は、メンズヘアの根幹をなす技術であり、そのミリ単位の調整にこそ、理容師のプライドと鍛錬された技術が凝縮されています。ただ毛を剃るだけでなく、肌を整え、顔全体を精悍に見せる。その一連のプロセスの中に、美容院とは異なる価値が存在するのです。
まとめ
もみあげのデザインにおいて、理容室と美容院には「カミソリの使用可否」という法律に基づいた明確な違いがあります。
ナチュラルで柔らかい仕上がりを求めるなら美容院、そして、シャープで清潔感のある仕上がりや、本格的な刈り上げスタイルを求めるなら理容室が、あなたの希望を叶えるのに適していると言えるでしょう。
もしあなたが、もみあげのライン一本にまでこだわり、自身の印象を今よりもさらに高めたいと本気で考えるなら、ぜひ一度、私たちメンズカットの専門家である理容師の技術を体験してみてください。あなたの「こだわり」を、最高の「かたち」で表現することをお約束します。