バリカンでメンズのもみあげを整える方法|失敗しない長さと使い方
ツーブロックスタイルやフェードスタイルが定番となった今、次回のサロンまでのメンテナンスに、自宅でバリカンを使っているという男性も多いのではないでしょうか。特に「もみあげ」は、バリカンで少し整えるだけで、顔周りの清潔感が格段に向上する重要なパーツです。
しかし、手軽な反面、バリカンの使い方を少しでも誤ると「刈りすぎてしまった」「左右非対称になった」など、取り返しのつかない失敗に繋がる可能性も秘めています。
この記事では、バリカンを使ったもみあげの基本的な整え方から、大失敗を防ぐための重要なポイントまでを、初心者にも分かりやすく解説します。
バリカンでもみあげを整える前に|アタッチメント選びの基本
バリカンでセルフカットする上で、最も重要なのが「アタッチメント」選びです。アタッチメントとは、刈る長さを均一にするためのパーツで、通常「〇mm」と長さが表記されています。
- 初心者におすすめの長さ
失敗を防ぐ鉄則は、必ず長めのミリ数から試すことです。まずは「9mm」や「12mm」といったアタッチメントから始め、仕上がりを見ながら徐々に短くしていくのが安全です。自然な濃さに整えたい場合は「6mm」あたりが基準になります。 - ツーブロックのメンテナンス
既にツーブロックになっている部分を維持したい場合は、「3mm」や「4mm」といった短いアタッチメントを使いますが、少しのズレが目立ちやすいため、より慎重な作業が求められます。 - アタッチメント無しは絶対にNG
アタッチメントを付けずにバリカンの刃を直接肌に当てるのは、頭の丸みや髪の生え方を熟知したプロの技術です。セルフカットでは、思わぬ怪我や大失敗の原因となるため、絶対にやめましょう。
【基本編】バリカンを使ったもみあげの整え方4ステップ
道具の準備ができたら、いよいよ実践です。以下の4つのステップを守ることで、失敗のリスクを大幅に減らすことができます。
- ステップ1:ブロッキングする
まず、刈りたくない部分の長い髪を、ヘアクリップやダッカールなどでしっかりと留めておきます。この「ブロッking」というひと手間を惜しまないことが、余計な部分まで刈ってしまう失敗を防ぐ上で非常に重要です。 - ステップ2:長めのアタッチメントで全体を刈る
9mmなど、長めのアタッチメントを付けたバリカンを手に持ちます。もみあげの下(生え際)から上に向かって、バリカンの面を肌に軽く沿わせるように、ゆっくりと動かして刈っていきます。 - ステップ3:必要なら短いアタッチメントで調整する
全体の長さが整ったら、もう少し短くしたい部分や、自然なグラデーションをつけたい場合に、6mmなど少し短いアタッチメントに付け替えて調整します。この時も、一気に刈らず、少しずつ様子を見ながら行いましょう。 - ステップ4:輪郭を整える
最後に、アタッチメントを外したバリカンの刃の角を使うか、電気シェーバーを使って、もみあげの輪郭周りの産毛を軽く処理します。深追いして輪郭の内側まで攻めすぎると不自然になるので注意してください。
バリカンで大失敗しないための3つの鉄則
これだけは必ず守ってほしい、失敗回避のための3つの鉄則です。
- 鉄則1:必ず長いミリ数から試す
髪は一度短く切ると元には戻せません。しかし、長い状態から短くすることは可能です。必ず長いアタッチメントから試しましょう。 - 鉄則2:ゆっくりと一定の速度で動かす
バリカンを早く動かすと、髪を巻き込んだり、刈りムラができたりする原因になります。焦らず、ゆっくりと動かすことを心がけてください。 - 鉄則3:鏡でこまめに左右を確認する
特に左右のバランスは、自分では気づきにくいものです。少し刈っては鏡で確認、という作業を面倒がらずに繰り返しましょう。
なぜプロのバリカン技術は自分で再現できないのか?
セルフカットでも清潔感は保てますが、なぜサロンでの仕上がりはあんなにも自然で美しいのでしょうか。そこには、プロにしかできない技術があります。
- ミリ単位以下のグラデーション技術
プロの理容師は、アタッチメントだけに頼りません。コーム(櫛)をガイドに、バリカンを肌から絶妙に浮かせながら刈ることで、アタッチメントだけでは不可能な、非常に滑らかで自然な濃淡のグラデーションを作り出します。 - 骨格に合わせた刃の角度
頭は完全な平面ではありません。プロは、お客様一人ひとりの頭の丸みや骨格の凹凸に合わせて、バリカンの刃を当てる角度を常に微調整しています。これにより、どこから見ても均一で美しい仕上がりが生まれるのです。 - ヘアスタイル全体との繋がり
プロにとって、もみあげは独立したパーツではありません。サイドからトップ、そして襟足へと続く、ヘアスタイル全体のシルエットを構成する重要な一部です。この繋がりを計算してデザインするからこそ、仕上がりが圧倒的に自然なのです。
自宅でのバリカンは「メンテナンス」、サロンでは「デザイン」
自宅でのバリカンを使ったセルフケアは、サロンで整えてもらった美しいスタイルを、次回の来店まで長持ちさせるための「メンテナンス」として非常に有効です。
一方で、あなたの骨格や髪質に本当に似合う長さや形、そしてヘアスタイル全体との調和まで考えた「デザイン」そのものを作るのは、サロンでしかできないプロの領域です。
定期的にサロンで完璧なベースデザインを作ってもらうことで、日々ご自身で行うバリカンでのメンテナンスも、ガイドラインがはっきりしているため、格段に楽で簡単になります。
まとめ
バリカンは、もみあげを自分でメンテナンスする上で、非常に心強い味方です。今回ご紹介した正しい使い方を守れば、清潔感を保ち、快適に過ごすことができます。
しかし、プロが作り出すような滑らかなグラデーションや、あなたに本当に似合う洗練されたデザイン性を求めるなら、そこにはやはり限界があります。
最高の仕上がりと、日々の手入れのしやすさの両方を手に入れるために、まずは一度、プロの理容師に理想のベースデザインを作ってもらうのが最も賢い選択です。メンテナンスはご自身で、最高のデザインは私たちプロにお任せください。あなたに一番似合うスタイルを、責任を持ってご提案します。